①からの続きです
実はこのシェルター、脱走犬が多いんです。こんな仔がいました。


この仔がそうだというわけじゃないですけど、器用に上って柵を越えてしまうらしいです。それにしても、シェルターがあるのに、シェルターの敷地内に野良がいるって。。。よくわかりませんけど、ユルユルのタイだからありえるのかも。①でも書きましたが、各シェルターの正面には必ず1,2匹放し飼いいなってる犬がいるんです。この犬たちは友人タリニーの車を覚えていて、車が来たとたんに山のほうから駆けてきた仔たちです
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獣医さんがいる建物。ここに診察室などがあります

病気の犬用舎

この日、私にとってちょっと嬉しいことがありました。
犬たちの叫び~バンコク行政シェルター①~で私が涙したわんこのことがあの日以来頭から離れませんでした。毛がなくなってボロボロの状態で、汚く濡れた床に丸くなって震えていたわんこ、諦めの表情で人間と目も合わせようとしない、あのわんこをどうにかできないものかと。

もし私に余裕があれば、絶対にこの仔を連れて帰ったんだけどな。。。とタリニーにメールであの日の感想を伝えたら「本当に救う気があるなら私が引き出してもいいよ。入院させて治療しましょう。その後あなたの家には連れて帰れないのだから、私たちでウタイタニに連れて行きましょう。」最初、そう彼女は提案しました。
ウタイタニに着いてから「そういえば第5棟はバンコクから着いたばかりの犬たちなのよ。もしかしたらあの犬が来てるかもしれないからチェックしてごらんよ」といわれて見に行ったのです。あの毛ナシちゃんはそれだけで目立つからと探したんですけどなかなか見つからず。そこで角度を変えてのぞいてみたら、なんといたんですよ!正面から見えない位置にあの日と同じようにうずくまっていました!あの過酷なプロセスを通過できたとは正直驚きました。
嬉しくてタリニーに報告したら「えー、サバイバルできたんだ!良かったねー。あなたたち絶対に縁があるのよ!」つくづく思うんですが、犬との出会いも本当に縁なのです。私のそばに来る仔は何か私と関係があってやって来るのだと思っています。
この仔は検疫が済んだら特別棟に入れてもらうことになりました。このシェルターにいるけれど私の犬ということです。というわけで、また3週間後にこのシェルターを訪れることになりました。次回はシャンプー持参して体を洗ってあげるつもりです。この仔の名前は『サニー』という名前にしました。女の子です。名前のように早く明るくなってほしいです。
ここでは人間慣れしている犬だけを集めて里親探しもしているそうです。私が行ったときは職員がトレーニングをしたり、リードをつけて散歩もしてました。これはバンコクシェルターでは見られない光景です。それにしてもこのたくさんの犬たち、この中で一生を終えるとはやっぱりかわいそうです。私にはどうしてもちょっと環境の良くなった刑務所にしか見えません。殺処分がないとはいえ、結果的に殺しているのですから殺処分があるのと同じようなことです。運が良ければ死なないですむ、でも行き先はちょっと環境の良くなったシェルター。どっちにしろ野良のときのように自由はありません。
では捕獲されないで野良犬でいるほうがいいのかといえば、そうではないと思います。常に飢えや病気や事故、あるいは人間との戦いですから。それにはやはり人間が責任を持って犬の一生を面倒みること、安易に子犬を産まさないこと、これにつきます。
何よりも問題なのは国の予算が不十分だということなのです。これについては次回、書きたいと思います。